蓄電池とは?
再生可能エネルギーへの関心が高まるなかで、太陽光発電とあわせて注目されている設備が蓄電池です。電気料金の上昇や災害への備えといった背景もあり、家庭用蓄電池の導入を検討する方が増えています。しかし、蓄電池という言葉を耳にしたことはあっても、具体的にどのような仕組みで電気をため、どのようなメリットがあるのかを正確に理解している方は多くありません。
蓄電池とは?
蓄電池とは、電気エネルギーを化学エネルギーとして内部に蓄え、必要なときに再び電気として取り出す装置です。大量の電気をそのまま蓄えておくことは難しいため、化学反応を利用して科学エネルギーに変換して蓄える仕組みになっています。
家庭用蓄電池は、2012年の「固定価格買取制度(FIT)」開始後に導入が始まり、特に2019年以降「卒FIT(固定価格買取の終了)」を迎える家庭の増加や、災害時の備えとして急速に普及しました。近年では、再生可能エネルギーの拡大を背景に、住宅用から産業用まで蓄電池の導入が進んでいます。
家庭用蓄電池の種類と特徴
家庭用蓄電池で現在主流となっているのが「リチウムイオン電池」です。リチウムイオン電池はエネルギー密度が高く、コンパクトでありながら多くの電気を蓄えられるため、家庭用の蓄電池として適しています。充電・放電のどちらも効率が良く、長寿命であることから多くのメーカーが採用しています。
そのほかにも鉛蓄電池やニッケル水素電池などがありますが、重量や耐久性、メンテナンス性の観点から、リチウムイオン電池が幅広く取り扱われています。製品ごとに容量や出力、設置する際の条件が異なるため、建物の電力使用状況や設置スペースに合わせて選ぶことが重要です。
太陽光発電と組み合わせることのメリット
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電気を貯めて夜間や災害時に使用できるため、電気代の削減とエネルギーの自給自足、停電対策に非常に効果的です。太陽光発電は日中に発電量が増える一方で、家庭の電力使用量は夕方から夜間にかけて増える傾向があります。この時間のずれを解消するために蓄電池が活躍します。
日中に発電した電気を蓄電池にためておき、夜間に放電して使用することで、電力会社から購入する電気を抑えることが可能になります。また、停電が起きた際にも、太陽光発電を使って蓄電池に貯めた電気を使用することができるため、いざというときの災害にも備えることができます。
蓄電池の導入の流れ
蓄電池を導入する際、電気代を削減したいのか、停電対策をメインにしたいのかなど、まずは目的を明確にします。そのうえで、年間の電力使用量や太陽光発電の導入有無によって、ぴったりな蓄電池を選びます。次に、専門業者による現地調査を経て、見積もりとシミュレーションが提示されます。内容に納得すれば契約を締結し、設置工事へと進みます。
工事では蓄電池本体の設置と配線の接続が行われ、必要に応じて関連機器の交換も行います。工事が無事完了したら試運転と動作確認を行い、問題がなければ導入がスタートとなります。
導入前に知っておきたいポイント
蓄電池の導入には初期費用がかかります。容量や機能によって価格帯は異なりますが、決して安価な設備ではありません。そのため、導入目的を明確にし、電気の使用量や太陽光発電の発電量を踏まえたシミュレーションを行うことが重要です。
また、国や自治体では再生可能エネルギーの普及促進を目的として、蓄電池の設置に対する補助金制度を設けている場合があります。補助金は申請期間や予算上限が定められていることが多く、着工前の申請が条件となるケースもあります。必要書類や申請手続きの流れを把握し、補助金を活用することで、コストを抑えることができます。
蓄電池の寿命とメンテナンス
蓄電池には充電・放電の回数に応じた寿命があります。一般的な家庭用リチウムイオン蓄電池の場合、一定回数の充電・放電を繰り返しても容量が大きく低下しない設計がされていますが、永久に使用できるわけではありません。使用環境や運用方法によって劣化の進行度合いは異なります。
近年の製品は、技術の進歩によって過充電や過放電を防止する機能が備わっています。適切な設置環境を維持し、メーカーの推奨する点検を受けることで、長期間にわたり安定した性能を保つことが可能です。
蓄電池は今後必要?
脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大は重要なテーマとなっています。発電量が天候に左右される太陽光発電などを安定的に活用するためには、電気をためて必要なときに使う技術が不可欠であり、蓄電池を用いることで解決できます。
今後は住宅用にとどまらず、電気自動車などをはじめとした活用の幅が広がることが見込まれます。蓄電池は電気を保存するためだけの装置ではなく、エネルギーの使い方を最適化するための重要なインフラとして位置付けられています。

