再エネ賦課金の推移と今後の見通し|電気代への影響と節約方法
電気料金の明細に「再エネ賦課金」という項目があるのをご存じでしょうか。正式名称は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」で、太陽光発電など再生可能エネルギーの買取費用を、電気を利用する全員が負担する制度です。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、月400kWhを使うご家庭では毎月1,672円が上乗せされる計算になります。
再エネ賦課金の単価は、制度が始まった2012年からほぼ右肩上がりで推移しています。「電気代の内訳が気になる」「今後も負担が増え続けるのか知りたい」という方に向けて、この記事では再エネ賦課金の推移と今後の見通しを解説します。あわせて、電気代に占める割合の目安と、ご家庭でできる節約方法も紹介します。
この記事でわかること
- 再エネ賦課金は再エネの買取費用を電気利用者が負担する仕組み
- 単価は2012年度の0.22円から2026年度の4.18円まで上昇
- 2026年度は月400kWhのご家庭で月1,672円の負担という試算
- 買電量を減らす自家消費が賦課金を含む電気代の節約につながる
再エネ賦課金とは電気代に上乗せされる費用
再エネ賦課金がどういった費用なのか、仕組みと電気料金の内訳を整理します。賦課金の性質を正しく理解すると、負担を減らす方法も見えてきます。
再エネの買取費用を電気利用者が負担する仕組み
日本では2012年から、太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間固定の価格で買い取るFIT制度(固定価格買取制度)が始まりました。その後、電力市場の価格に連動して売買するFIP制度も導入されています。電力会社が支払う買取費用から、再エネの電気を買い取ったことで節約できた燃料費分(回避可能費用)を差し引いた金額を、電気を使う私たちが電気代への上乗せとして負担しています。
簡単にいえば、太陽光などの導入を後押しするための費用を、電気の利用者全員で分け合う仕組みです。経済産業省の試算では、2026年度の買取費用等は約4兆8,507億円、そこから差し引く回避可能費用等は約1兆6,495億円とされています。再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及費用を電気利用者全員で負担する仕組みであり、使用電力量が多く電気代の高いご家庭ほど支払いも大きくなります。
電気代のどの部分に含まれているのか
家庭の電気料金は、大きく4つの要素で構成されています。基本料金、電力量料金、燃料費調整額、そして再エネ賦課金です。このうち再エネ賦課金は、使用した電力量に全国共通の単価を掛けて計算されます。電力会社や契約プランによって単価が変わる基本料金や電力量料金と違い、賦課金の単価は全国どこでも同じです。
| 料金の項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本料金 | 契約中のアンペア数などに応じた固定の費用 |
| 電力量料金 | 使用した電力量にプラン別の単価を掛けた費用 |
| 燃料費調整額 | 燃料価格の変動を電気代に反映する費用 |
| 再エネ賦課金 | 使用した電力量に全国共通の単価を掛けた費用 |
このように再エネ賦課金は、使用した電力量そのものに応じてかかる費用です。そのため、電力会社から買う電気の量を減らせば、賦課金の負担も同じ割合で減っていきます。

再エネ賦課金の単価はどう推移してきたか
再エネ賦課金の単価は、毎年度の再エネの導入状況や電力市場の価格を踏まえて経済産業大臣が設定します。まずは制度開始からの推移を一覧で確認しましょう。
制度開始の2012年から上昇基調が続く
2012年に制度が始まった当初の単価は1kWhあたり0.22円でした。そこから再エネの導入量の拡大に合わせて単価は上昇し、2022年度には3.45円に達しています。2026年度の4.18円は制度開始時の約19倍に相当し、再エネ賦課金は長期的には上昇基調で推移してきました。
| 年度 | 単価(円/kWh) |
|---|---|
| 2012年度(制度開始) | 0.22 |
| 2013年度 | 0.35 |
| 2014年度 | 0.75 |
| 2015年度 | 1.58 |
| 2016年度 | 2.25 |
| 2017年度 | 2.64 |
| 2018年度 | 2.90 |
| 2019年度 | 2.95 |
| 2020年度 | 2.98 |
| 2021年度 | 3.36 |
| 2022年度 | 3.45 |
| 2023年度 | 1.40 |
| 2024年度 | 3.49 |
| 2025年度 | 3.98 |
| 2026年度 | 4.18 |
2023年度に一時1.40円へ低下した理由
推移表を見ると、2023年度だけ1.40円と前年度の3.45円から大きく下がっています。これは再エネの買取費用が減ったためではなく、ロシアのウクライナ侵攻後の燃料価格や卸電力市場価格の高騰が影響しています。
賦課金の計算では、買取費用から「再エネの電気を買い取ったことで節約できた燃料費」に相当する回避可能費用を差し引きます。市場価格が高騰した2023年度はこの回避可能費用が大きく膨らんだため、差し引き後の負担が一時的に縮小したのです。市場価格が落ち着くと2024年度以降は再び上昇に転じたことからも、単価は再エネの導入量と電力市場の動向の両方で変動します。

2026年度の単価とご家庭の負担額
現在の電気料金に適用されている2026年度の賦課金について、単価と負担額の目安を確認します。
2026年度の単価は1kWhあたり4.18円
経済産業省は2026年3月、2026年度の賦課金単価を1kWhあたり4.18円に設定しました。適用期間は2026年5月検針分から2027年4月検針分までで、2025年度の3.98円から0.20円の引き上げです。
経済産業省の試算では、月400kWhを使用するご家庭の負担額は月1,672円、年間では約2万64円になります。前年度と比べると月約80円、年約960円の増加です。ご家庭の使用量に応じた負担額の目安は次のとおりです。
| 使用電力量(月) | 賦課金(月) | 賦課金(年) |
|---|---|---|
| 200kWh | 836円 | 約1万32円 |
| 400kWh | 1,672円 | 約2万64円 |
| 600kWh | 2,508円 | 約3万96円 |
上記は単価4.18円に使用量を掛けた単純計算の目安です。実際の電気料金には基本料金や電力量料金などが別に加わるため、請求書全体の中で賦課金が占める金額は明細の欄で確認するのが確実です。
電気代全体に占める割合の目安
総務省の家計調査(2025年平均)では、4人世帯の電気代は月平均1万3,927円です。この平均額と月400kWhモデルの賦課金1,672円を単純に比較すると、賦課金は電気代の約12%(1割強)を占める計算になります。
ただし、これは統計上の平均値と試算モデルを単純に比べた目安です。使用電力量が多いご家庭ほど賦課金の金額も割合も大きくなります。逆に電気代の低いご家庭では割合は小さくなります。賦課金の負担は年々増える方向で推移しているため、電気代が高めのご家庭ほど対策の効果は大きくなります。
再エネ賦課金の今後の見通しと廃止の議論
「再エネ賦課金の廃止」という言葉をニュースで見かけた方もいるでしょう。今後の見通しについて、現時点で分かっていることを整理します。
賦課金の廃止をめぐる議論と政府の姿勢
国会では賦課金の廃止を求める意見が繰り返し出ています。一方で政府は、国民負担を抑制しつつ再生可能エネルギーの最大限の導入を進める方針を示しており、2026年時点で賦課金の廃止は決定していません。
また、仮に賦課金を廃止した場合も、すでに契約済みの買取費用が残っている間は、その原資を税金や電気料金の別項目などでまかなう必要があります。制度の名前が変わっても、家計の負担がそのまま消えるとは限らない点は押さえておきたいところです。
単価を抑えるための制度見直しの動き
政府は賦課金の上昇を抑えるため、さまざまな見直しを進めています。買取価格の段階的な引き下げや入札制度の活用、着工していない未稼働案件の認定失効などが代表例です。さらに2027年度以降は、事業用太陽光発電のうち地上設置型をFIT・FIP制度の新規支援対象から外し、屋根設置型など地域と共生する形態へ支援を重点化する方針も示されています。
- 買取価格の段階的な引き下げによる新規費用の抑制
- 入札制度の活用による買取費用の削減
- 未稼働案件の認定失効による無駄な費用の排除
- 事業用地上設置型太陽光の新規支援対象外(2027年度以降の方針)
単価は毎年度の再エネの導入状況や市場価格によって変わるため、将来の水準を正確に見通すことは難しいとされています。政府も将来の賦課金水準の予測は困難との認識を示しており、廃止を含む制度の行方は今後の議論次第です。長期的な家計対策としては、制度の動向だけでなく「電気の使い方そのもの」に目を向けることが大切です。

再エネ賦課金の負担を減らす節約のポイント
賦課金の単価そのものは家庭単位で変えられませんが、支払う金額は「使用する電力量」で決まるため、ご家庭の工夫で減らすことが可能です。具体的な方法を紹介します。
まずは電気の使い方と契約プランを見直す
基本料金を除く電気代のほとんどは使用量に連動します。再エネ賦課金も例外ではなく、まずは日々の使用量を減らすことが基本です。次のような取り組みから始めるとよいでしょう。
- 使っていない家電の待機電力をこまめに切る
- エアコンや冷蔵庫など消費電力が大きい家電の使い方を見直す
- 照明をLEDへ切り替え、点灯時間や明るさを調整する
- 電力会社や料金プランを比較し、使用パターンに合った契約へ変更する
特に昼間の料金が高く設定された時間帯別プランを契約している場合は、契約プランの見直しだけで電気代が変わることもあります。節約の第一歩として、まずはご自宅の電気料金明細とプラン内容を確認してみましょう。
太陽光発電の自家消費で「買う電気」を減らす
もう一つの方法が、太陽光発電による自家消費です。再エネ賦課金は電力会社から買う電力量に応じてかかるため、太陽光で発電した電気を自宅で使って買電量が減れば、賦課金の負担も同じ分だけ減ります。
たとえば自家消費によって月100kWhの買電を減らせた場合、2026年度の単価では賦課金だけで月418円の減額になります。さらに電力量料金や燃料費調整額も減るため、トータルの節約額はさらに大きくなります。経済産業省の試算を参考にすると、自家消費の経済効果は1kWhあたり約17〜23円とされています。
近年は固定価格買取期間が終了する「卒FIT」を迎えるご家庭も増えており、発電した電気を売るよりも自宅で使い切る自家消費に軸足を移す動きが広がっています。昼間の使用量が少ないご家庭では、蓄電池と組み合わせて昼間の余剰電力を夜間に使うことで、自家消費率をさらに高められます。太陽光発電と蓄電池で買電量を減らせば、電気代の本体部分と再エネ賦課金の両方を削減できます。電気代が高く、日中に電気を使う機会の多いご家庭ほど、その効果は大きくなります。
よくある質問
Q. 再エネ賦課金はいつまで続くのでしょうか。廃止は決まっていますか?
A. 現時点では賦課金の廃止は決定しておらず、終了時期も公表されていません。国会では廃止を求める議論が続いていますが、仮に廃止された場合も既存の買取費用を別の形で負担する可能性があります。今後の制度動向を注視することをおすすめします。
Q. 再エネ賦課金はどこへ支払われているのでしょうか?
A. 電気料金と一緒に集められた賦課金は、電力会社を通じて、太陽光や風力などで発電した事業者への買取費用に充てられています。再生可能エネルギーの導入を支える原資として、電気を利用する全員が負担している仕組みです。
Q. 太陽光発電を設置すると再エネ賦課金の負担は減りますか?
A. 賦課金は電力会社から買う電力量に応じてかかるため、太陽光で発電した電気を自家消費して買電量が減れば、負担も減ります。一方、発電した電気をすべて売電する場合は買電量が減らないため、自家消費を増やすことがポイントです。
Q. 2027年度の再エネ賦課金単価はいくらになりますか?
A. 単価は毎年度、再生可能エネルギーの導入状況や電力市場の価格を踏まえて経済産業大臣が設定するため、現時点では確定していません。例年3月頃に翌年度の単価が公表されるため、資源エネルギー庁や電力会社の発表をご確認ください。
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まとめ
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取費用を電気利用者が負担する制度で、単価は2012年度の0.22円から2026年度の4.18円まで上昇を続けています。2026年度は月400kWhのご家庭で月1,672円の負担となり、4人世帯の平均電気代との単純比較では約1割強を占める目安です。
賦課金の廃止は決定しておらず、仮に廃止されても別の形で費用負担が生じる可能性があります。制度の行方に一喜一憂するよりも、電気料金の明細を確認し、電気の使い方の見直しや、太陽光発電の自家消費など「買う電気を減らす」対策を進めることが現実的な選択肢です。
この記事のまとめ
- ✓再エネ賦課金は再エネの買取費用を電気利用者全員で負担する仕組み
- ✓単価は制度開始時の0.22円から上昇し、2026年度は1kWhあたり4.18円
- ✓賦課金は買う電力量に応じてかかるため、自家消費で負担を減らせる
- ✓まずは無料の相談で、ご家庭に合った電気代の減らし方を確認する


